コラム
アンカースクリューを使った八重歯の矯正治療について
犬歯が歯並びの外側(頬側)にズレて生えてしまうことがあります。これは、あごの大きさに対して歯が並ぶスペースが足りなかったり、乳歯が早く抜けたりすることが原因で起こります。歯並びやかみ合わせが悪くなるため、矯正治療で正しい位置に整えた方がいいと思います。
この治療をスムーズに進めるために、「アンカースクリュー」という小さなネジを歯と歯の間の骨に固定して使う方法があります。これを使うことで、犬歯をより確実に、効率よく正しい位置に動かすことができます。ここでは、その方法をわかりやすく説明します。
1. 治療の流れ
① 診察と治療計画
まず、レントゲンやCTを撮影し、犬歯がどの位置にあるかをしっかり確認します。そして、歯を正しい位置に並べるための計画を立てます。
ズレた犬歯を動かすために、一般的に「小臼歯(奥歯の一部)を抜く」ことが多いです。これにより、犬歯を並べるためのスペースを作ることができます。
② アンカースクリューの設置
アンカースクリューとは、長さ 6~8mm ほどの小さなネジのようなものです。これを、歯ぐきの骨の部分に埋め込みます。
- 上の歯の矯正の場合 → 頬側や口蓋側の奥歯の歯の間 にネジを入れます
- 下の歯の矯正の場合 → 頬側や舌側の奥歯の歯と歯の間 にネジを入れます
このネジは、歯を動かすための「しっかりした支え」となるものです。局所麻酔をするので、ほとんど痛みはありません。

③ 犬歯を引っ張る
アンカースクリューを設置したら、そこからゴムや細いバネを使って犬歯を引っ張ります。
- ゆっくりと 犬歯を正しい位置に引き寄せる
- 過度な力をかけないよう、毎月少しずつ調整
この方法を使うことで、他の歯を動かさずに、犬歯だけを確実に移動させることができます。
2. 治療期間と注意点
① どのくらいの期間かかるの?
犬歯の位置にもよりますが、全体の矯正治療は約1.5~2年 かかります。ただし、アンカースクリューを使うことで、従来の方法よりも 治療期間を短縮できる ことがあります。
② 治療中に気をつけること
- ネジの部分を清潔に保つ(歯ブラシや洗口液を使う)
- 硬いもの(ナッツ・せんべいなど)を噛みすぎない(ネジがゆるむことがある)
- ネジが痛くなったり、違和感がある場合はできるだけすぐに治療医に相談してください。
3. 治療後の仕上げ(保定)
犬歯が正しい位置に並んだら、矯正装置を外します。しかし、そのまま放置すると、歯が元の位置に戻ろうとすることがあるため、「リテーナー」と呼ばれる保定装置を装着します。
- 固定式リテーナー:歯の裏側に細いワイヤーを接着固定する
- 取り外し式リテーナー:透明なマウスピースの装置を装着する
この保定期間は、1~2年ほど が目安になります。
4. まとめ
アンカースクリューを使った矯正治療は、犬歯を 確実に、スムーズに移動できる ため、治療の精度が高まります。
✅ メリット
✔ 犬歯を効率よく動かせる
✔ 他の歯に影響を与えずに治療できる
✔ 治療期間が短縮できる可能性がある
✅ 注意点
✔ アンカースクリューの周りを清潔に保つ
✔ 食事や歯みがきに気をつける
✔ 違和感があればすぐ担当医院に相談する
矯正治療には時間がかかりますが、アンカースクリューを活用することで、より 正確で美しい歯並び を目指すことができます。矯正治療を検討している方は、矯正医と相談しながら、ご自身に合った治療方法を選ぶとよいでしょう。
当院では、歯並び無料矯正相談(カウンセリング)を行っています。
「自分の歯の状態は治療した方がいいのか」「まだ治療をするか決まっていない」「費用を確認してから検討したい」などお考えの方もお気軽にお問い合わせください。
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